アルジェリアのオラン市で、ある朝、医師のリウーは鼠の死体をいくつか発見する。

ペストだ!その一言に、下宿屋の老夫婦は戦慄した。

明治時代のニッポンにも、感染症との終わりなき闘いに挑んだ二人の男がいた。

平穏な田舎町キャッスルロックに骨董屋が開店した。店主は素性の知れぬよそ者、でも客はみな目を見張る。

大逆事件の判決が下ろうとしていた明治44年正月。

ペスト禍に打ちのめされた十四世紀イングランド。修道院を逃げ出した若き破戒僧ニコラスは旅役者の一団に出会う。

突如大発生し、甲府市を殱滅した数十億匹のネズミの大群は、二年前に滅び去ったはずであった。

ペスト収束に奔走する敗戦間近の英国領ビルマ・メダンサ部落。

1956年、動乱に揺れる街ブダペストで、祖国を違える4人のスパイとひとりの女が関係した。そして生まれた娘、イローナ。

世界は何によって、どんな風にできているのか?百姓の小倅であるヨハネスは、ふいに彼を襲った疑問に憑かれて旅に出る。

ニューヨークのマンハッタン総合病院で、不審な病気が流行しはじめていた。

地球温暖化がもたらす最も深刻な問題は、感染症の多発である―地球上から撲滅されたはずの天然痘が青森に、空気感染する超エイズが隠岐諸島に、ペストが熊本に発生した。

画家レンブラントのもとにやってきた、ある宝石商からの緊急の使い。

乱歩、澁澤龍彦も絶讃した、本邦三大ミステリのひとつ『黒死館殺人事件』の小栗虫太郎、もう一方の代表作。

語学留学から帰国した男子学生は死んでしまったペットのリスの死骸を持ち帰り、自宅の庭に埋めてやったが、その日から高熱を出した。